小宮山 宏の名言 こみやま ひろし

小宮山 宏【こみやま ひろし】

皆さんには常識を疑う確かな力を養ってほしい。
学問的な疑いの直感は、
その人の頭の中で多様な知が関連付けられ、
構造化されて初めて働くものだ。
知を構造化することと、
大量の情報をもつことは、全く異なる。

小宮山 宏 こみやま ひろし Hiroshi Komiyama

工学者 三菱総合研究所理事長 第28代東京大学総長 1944〜


この言葉は、東京大学の2007年の入学式での式辞のようです。

関連して、こんな言葉もありました。

最近は、インターネットを駆使して
誰でも大量の情報を短時間のうちに入手できるようになった。
このような情報環境の中で育った皆さんは、
学術情報は簡単に手に入るのが当然だと思っているだろう。
しかし、ひと昔前は全く違っていた。
私が若い教授だったころ、学術情報を入手するためには、
多くの論文に目を通したり、人に話を聞いたり、
カードを作って整理したりと、大変な手間が必要だった。
もちろん現在の方が便利に決まっている。
しかし、その便利さにこそ落とし穴がある。
情報収集にかけた膨大な手間と時間は、
無駄なように見えて、決して無駄ではなかった。
その作業を通じて頭の中で多様な情報が関連付けられ、
構造化され、それが『閃き』を生み出す
基盤になっていたからだ。
インターネットで入手した、構造化されていない大量の情報は
『思いつき』を生み出すかもしれないが、
『閃き』を生み出すことは極めて稀だ。
頭の中に、いかに優れた知の構造を作ることができるか、
それが常識を疑う確かな力を獲得する鍵なのだ。


既知の知識や情報で、
常識などが出来上がっていますが、
人間が知り得ていることは、
まだまだ、自然界のごく一部だけです。

そんな常識に囚われていては、
進化も、創造も実現できませんね。

また、情報、知識などは、
単にインプットしただけでは、
使いこなすこともできないでしょうし、
閃きとして、融合された情報にはなっていきません。

まずは、何に、どこに向かって、
進んでいるのかという、明確なビジョンと、
その実現に対する強い思いは必要不可欠なことです。

その上で、知識や情報のインプットをしていくことで、
思考領域でも、潜在領域でも、
様々な知識、情報の融合が行われ、
閃きなどになって、アウトプットされてきます。

もちろん、知識や情報は、生のものが最適です。
ネット上の情報や知識は、
フィルターをいくつも通過していることが多いので、
生のリアルさ、新鮮さはありません。

どんなに、リアルに映されている情報でも、
写している人のフィルターを通っていますから、
生の情報とはほど遠いものです。

これでは、潜在領域からの閃きは、
なかなか引き出せないでしょう。

自然界の本質を捉える、
才能、能力が洗練される方向に向かう、
閃きを引き出していくためにも、
生の情報、知識をインプットしていくことですね。

脳の潜在領域には、
本質を捉えやすい、情報を与えてあげることです。

例えば、同じ知識、情報でも、
発信者から直接聴けば、
より本質に近いものを、キャッチすることができます。

浴びる知識、情報の質を、
ぜひ高めていってください。

それでこそ、あなたの素晴らしい才能が、
大きな刺激を受け、大いに成長、進化していきます。

他にも、小宮山さんの、こんな言葉がありました。

20世紀は知識が爆発的に増えました。
その結果、学問分野もいくつもの専門にどんどん細分化されて、
全体像を見ることが難しくなっています。
知識をより効率的に活用するためには、
増え続ける知識間の相互の関連付けが必要です。


私は普段から3つのことを心がけています。
課題を解決策なく放っておかないこと。
自分で生の情報にあたること。
そして、人と積極的に議論を交わすことです。


これからの教育の目的は人間力と学力の向上だと思っています。
人間力は、やはり少子化や都市化の影響でどんどん落ちてくる。
これはもう避けようがない現実です。
でも、インターネットが、
人と人との脳みそが連結するツールとなってくれるのなら、
それはひとつの救いですね。


(浜本哲治)


13号 フロネシス 「新」国富論―――日本の成長は地方創生から始まる (フロネシス 13号)