ホメーロスの名言 Homer
起こってしまったどうにもならないことに囚われてしまうことが、間違いなく人間の進化を阻害しているでしょう。
これは上手くいったこと、そうでなかったこと、あらゆることに言えることです。
一瞬前でも、過去になってしまったことはなかったことにすることはできません。
それはどうにも変えることはできませんから、囚われるだけ時間もエネルギーももったいないことになります。
また人間界では反省をせよ。ということで、いつまでも上手くいかなったことにフォーカスして、エネルギーも意識もそれに向かわせますが、基本的に起こった現象の本質は潜在脳がしっかりとキャッチして、今後に活かそうとしてくれますし、イメージしたことを再現しようとする脳には、そんなに上手くいかなかったことに長くフォーカスしないことの方が大切でしょう。
たとえば何かの技術を身につけようとすれば、何度も何度も出来る人の技術をイメージしたり、トライアンドエラーで何度も繰り返すことで、再現性が高まり身についていくわけですが、上手くいかなったことを何度も何度も見せられたり、聞かされたりしていれば、もちろん意欲も減退してしまうでしょうし、脳もその上手く行かなったことを再現しようとすることを認識して気をつけた方がいいです。
「失敗しないようにしよう。」と考えながらやることは、間違いなくその失敗をしてしまう可能性が高くなります。
脳の自然なメカニズムを使うのであれば、上手くいくイメージをして、上手くいかせるようにしようとすることが、上手くいかせるコツであることは間違いないでしょう。
また一度上手くいったことでも、そのことに囚われ過ぎると、これまた成長、進化の阻害要因になります。
上手くいったことは、それと同じようにしようとすることでは、多くの場合そこに至らずに終わってしまいますから、例えばその上手くいったことの再現性を高めようとするならば、さらに高いレベルを目指してチャレンジすることで当たり前のレベルを高めていくことでしか、再現性を高める方法はありません。
後生大事に過去の栄光にすがっていては、成長も進化もないのはアスリートの世界を見ていても明らかなことですね。
過ぎたことは過ぎたこととしてそのままにしておいて、常にさらに高いレベルを目指してチャレンジしていくだけです。
そのチャレンジの中であなたの素晴らしい才能は真価を発揮し、どこまでも進化していく能力になっていきます。
過去への囚われを手放すほどに進化の余地が大きくなることを認識して、あなたの才能を育んであげてください。
これまでに紹介したホメーロスさんの名言です。
(浜本 哲治)
ラフォン『ホメーロスのために歌うサッポー』(1824)Wikipediaより