尾崎 喜八の名言 Kihachi Ozaki
静かに賢く老いるということは満ちてくつろいだ願わしい境地だ
尾崎 喜八 Kihachi Ozaki
詩人 随筆家 翻訳家 1892〜1974
Wikipedia(日本語)/ Wikipedia(英語)
人間の身体の機能的には10代前半をピークにどんどん低下していきますから、そういう意味では多くの人が日々老いていっていると考えていいでしょう。
本来はその自然の流れに沿ってリラックスし、くつろぐ方法を体得していくことが望ましいのでしょうが、どうも人間界では力む方向に思考も身体も使い、本来の脳の使い方ができていないと言ってもいいでしょう。
人間界にも自然体という言葉があるように、リラックスできた状態がもっとも能力が発揮できることは認識されているのですが、どうやらその状態が特別なことをやらなければ体得できないと考えているのでしょうか、意識して体得しようとする人、習慣にしていこうとする人も少なく、正反対の方向に進んでいる人の方が圧倒的に多いのが現状でしょう。
本来自然の産物である人間の身体も脳も、その能力を最高に発揮できる状態はすでに持ちあわせていて、普通にそれを実現できるものです。
ただ不自然な人間界のルールなどに沿わせようとしてきて、その状態を忘れているだけですね。
その作業は本来の姿に戻ること、忘れて隠れているものを引き出していくだけのことです。
経年でついた汚れや垢を落として本来の輝きを取り戻していくことです。
人間界では埃や垢を溜め込むこと、複雑にすることが成長、進化であると考えている節がありますが、これは逆ですね。
たくさんの知識や情報を浴びても、さらにシンプルに多くを堆積させたり抱え込むことなく、手放していくことこそが成長、進化の道です。
静かに賢く老いること。
満ちてくつろいだ状態。
これはもちろんただ諦めの境地で老いるのを待つということでは決してないでしょう。
最高を引き出していくために必要なことだと感じてみてください。
これまでに紹介した尾崎 喜八さんの名言です。
(浜本 哲治)