小林 一夫の名言 Kazuo Kobayashi
技で磨く。心で磨く。
小林 一夫 Kazuo Kobayashi
研磨職人 磨きの神様の異名を持つ 小林研業の創業者 1943〜
ミクロの世界に携わる達人たちは、1000分の1の違いを触っただけで見抜ける能力、技を培っています。
人間が創り出した機械などでは見抜けないレベルの違いも、感じることができる境地に到達しています。
そういう技、能力のレベルに到達していくには、もちろん技をどこまでも磨いていく必要があるでしょう。
ただ、技術的なことだけではどうしても限界があります。
目には見えないものは心、脳内でイメージしていく必要があり、そこをイメージし感じていくには、どこまでも心、脳を純粋、ピュアにしていくことが大切なことになります。
通常の感覚だけでは、またどこまでも精密な機械にも見抜けないものがわかってしまう能力を人間は持っています。
そういう自分にしかできない境地まで到達していくことはとても大切なことなのですが、その誰にも真似できないものをそのままにしておくことは、単なるオカルト、自己満足の世界になってしまいます。
自然界は自他も全てのものが繋がっていて、また無限の奥深さがある世界ですから、誰にも真似できない境地も、そこに至れる本質を理解できれば、それは誰にでもできることになっていきます。
人間界の進化を考えていくのであれば、自分の能力の境地を誰にでもできるものにして伝えていくことが重要なことになりますね。
その本質を誰にでも伝えられるように掴んでいけば、自分自身もさらに奥深い領域に至ることができるようになります。
人間は自己満足や自利のためだけに生きようとして、素晴らしい才能を自分のものだけに終わらせてしまっているケースがあまりにも多いです。
誰かに奪われたら、会得されたらと心配になるということは、自然界の本質を理解できていないということです。
むしろ誰にもできないことを誰にでもできることにしてどんどん伝えていくことで、自分自身がもっと深いところに至れるということを実感、体得していくことですね。
どうぞあなたが追求している能力は、あなたにしか到達できない境地まで追求してください。
そしてそこからさら先に進んでいくために、その至れた境地に誰にでも到達できるように伝えられるものにしていってください。
自然界の大切な原理をあなたの才能に授けてあげてくださいね。
小林一夫さんのこんな言葉もありました。
できないっていう言葉は、最も嫌いな言葉。
ゆっくりでいい、でも諦めるな。
磨き屋のプロじゃないか。
断ったら意地が立たねえわい。
長い長い冬の季節、雪国新潟はすっぽりと雪に覆われます。
ひっそりと我慢強く培われた職人達の技と経験は、涙ぐましいまでも、地味でひたむきな単純作業の連続からはぐくまれたものです。
(浜本哲治)