最澄の名言 Saicho
国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり、道心有るの人を名づけて国宝となす。
故に古人言わく、径寸十枚是れ国宝に非ず、一隅を照らす此れ即ち国宝なり。
最澄 Saicho
平安時代の僧 天台宗の開祖 767〜822
Wikipedia(日本語)/ Wikipedia(英語)
人にも、自然界で生きる全ての者にも生を与えられているのは、それぞれに自然界で果たすべき役割があって、それを制限時間内にどこまで果たすかが自然界での人生でしょう。
その役割、使命を自覚して、ひたすらそれを果たそうとする者は、まさに一国の宝であるばかりでなく自然界の宝と言えるでしょう。
人間界の進化はそのまま自然界の進化にもなるでしょうし、一人の人間や動植物たちの進化は、それぞれの世界の進化に繋がっていきます。
個の集まりが全体です。
人間の身体がひとつひとつの細胞の集合体であり、ひとつひとつの細胞が健康であることが、全体の健康に繋がっていくように、全体を構成している一人ひとりが進化して初めて人間界全体が進化するものです。
そして自然界の法則では、個が全て進化しなくても2割の個が変化、進化できれば、全体が変化、進化できるようになっています。
ただ人間界は個の集まりが全体であるという意識は薄く、さも全体があっての個であるかのような錯覚を起こしてしまうような、非常に不自然なシステムを創っていますし、それに慣らされてしまっていて、自分自身の道をひとり極めようとすることがあまり意味のないことのように考えられています。
仮に全体とは違う方向に進んでいくことをあなたが選んだとして、あなたの周りの人をそれで照らし大きな幸せを届けられたとしたら、今すぐには全体には影響はなくても、時の流れの中で未来に向けては多くの人に届いていき、やがては全体が変わっていく可能性はあります。
1000年続く幸せ。
例えば樹々と暮らす生活環境を実現させ、エアコンなどを遥かに超える快適さを生み出すことを自然界の道理とともに残していけば、樹々の寿命の続く限り、それは代々受け継がれていく可能性が出てきます。
未来永劫を見据えて身の回りの人の幸せのために今を創っていくこと。
その今創りを与えられた才能でどこまでも深くその道を追求して、100年1000年続く幸せを届けていくことをぜひ目指しチャレンジしてください。
今いる場所で、今巡り会った人々のために最高の愛を届け、愛をさらに追求し続けること。
当たり前をどこまでも深く追求する国宝級の求道を、あなたに授けられた素晴らしい才能でぜひ実践していってください。
(浜本 哲治)
『伝教大師請来目録(越州録)』(延暦寺蔵・最澄直筆・国宝)Wikipediaより