林 芙美子の名言 Fumiko Hayashi
風も吹くなり 雲も光るなり
生きてゐる幸福(しあわせ)は
波間の鷗のごとく
漂渺とたゞよひ
生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私もよく知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり 雲も光るなり
林 芙美子 Fumiko Hayashi
小説家 1903〜1951
林さんは色紙などには、
「花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき」
と書いていたようですが、前後が存在していたのですね。
ただでさえ人生そのものが短いものです。
その中でも、花の咲いている時間はごく僅かなものです。
これは植物たちにも、人間にも言えることですね。
ただ、人間と植物たちとの大きな違いは、花を手段として捉えているのが植物たちで、人間は結果や目指すものと捉えているケースが多いでしょう。
自然界で花の役割は、成長、進化のための手段であり通過点です。
自然に沿って循環させていけば、何度でも咲かせられるのが花です。
これを結果や目指すものにしてしまうと、まさに苦しいだけの人生になってしまいます。
一度咲かせた花に、必要以上に囚われたりこだわらないことです。
自然界は循環させてこそ大きく成長、進化できる世界ですからね。
花も実も何度でも咲かせ、実らせて、どんどん必要とする人に届けていくことです。
そして、咲くごとに、実るほどに、より美しく、より美味しく、よりしなやさに洗練させていくことです。
人間は年を重ねることは、単に老いることだと考えている節もありますが。
美しさに、美味しさに磨きのかかった花や実は、植物たちを見ていてもわかりますが、通常自然界では年を重ねるほどに洗練されていくものです。
仮に人間がそうできていないとすれば、それは能力の使い方がまだまだ未熟で、進化の余地がふんだんにあるということでしょう。
これは、脳の思考領域と潜在領域の使われ方、情報や能力の引き出され方を見ていても感じられる部分ですね。
運命の出逢いを果たすために、最高に美しい花を咲かせる花たちは、出逢えても出逢えなくても、その美しい花は惜しげもなく足元で必要としてくれている者たちに届けます。
育てられ、成長、進化でき、次のさらに美しい花のためですね。
上手くいかないことにも、もちろん囚われてはいけませんが、上手くいったことにも必要以上に囚われないことです。
あらゆることへの囚われは、果てしなく可能性を狭めていくだけです。
どんどん花を咲かせ、実を付けて、どんどん届けていって、愛をたくさん循環させることです。
自然の循環を心得ていけば、時間の経過、年を重ねることは、あなたの花の美しさを際限なく輝かせてくれますね!
(浜本哲治)