津川 雅彦の名言 Masahiko Tsugawa

津川 雅彦(Masahiko Tsugawa)Wikipediaより

軽く見せるとリアリティーも出るし、粋になるんです。軽さこそ至芸。
芸の最初は重心が肩にくる。
次に腹に落ちてやっと1年生、腰に落ちてようやくプロ、それがマリオネットのように頭上に来て、至芸の域に達するわけです。

そういう軽い芝居をするため、僕はセリフを覚えるのに2週間かけます。
1日目に何回か繰り返して覚え、翌日忘れてまた覚える。
それを繰り返すうちに、セリフが毎日、ポト、ポトッと臓腑に落ちていくんです。
僕の場合は2週間でちょうど記憶力と滑舌が、セリフから解放され自由に芝居が出来るようになる。
そうするとセリフにスピード感も出て来て軽さが出る。

歌舞伎でも落語でもうまい人は、力を抜くほど迫力が出るんだと知ってますよ。

津川 雅彦 Masahiko Tsugawa

俳優 評論家 1940〜2018
Wikipedia(日本語)/ Wikipedia(英語)


あらゆる局面で、特に大切な場面、本番ではいかに心や身体の力を抜けるか。

これが最も大切なことになります。

これは、教育環境や社会環境の影響もあるのでしょうが、とにかくあらゆる場面で人間は、力が入り過ぎる傾向にありますね。

大事な局面、本番になるほど、その傾向が強くなります。

力を入れることが、力を発揮すること、周りに力、エネルギーが伝わる方法だという錯覚、誤解があるのでしょうね。

大きな力が必要な時ほど、力を抜くことです。

例えば、非常にわかりやすいのは、金槌やバットやクラブなどを振ることを感じてみるといいでしょう。

身体に力が入るほどに、ヘッドスピードが落ちていきますから、対象物には大きな力が加わりません。

走ったりする時もそうですね。
力めば力むほど身体の柔軟性が失われ、関節などの可動域も狭くなりますから失速してしまうことになります。

この辺りも自然の植物たちに見習って、しなやかさと強さ、美しさの秘訣を学んだ方がいいでしょう。

ポテンシャルを最大に引き出すためにも、潜在能力を引き出して想像したポテンシャル以上のものを発現させるためにも、とにかく力を抜くことです。

心と言うか、思いに力が入ってしまうと、まず確実に身体にも余計な力が入ります。
過度な気合いは入れない方がいいでしょうね。

いざ本番という場面で、その時だけ力を抜こうとしても、これは緊張感もありますから非常に難しいです。

やはり日常の中から、力を抜く感覚、心や身体に力が入っている状態をしっかり感じ取って、その伝わるエネルギーの違いを体感しておくこと、力を抜く感覚を掴んでおくことですね。

日常でできないことは、間違いなく本番ではできません。

力を入れることで大きなエネルギーを伝えようとすることは、軽自動車でスポーツカーにスピード勝負を挑むようなものでしょうか。

または、エンジンオイルを入れないまま、エンジンを高速回転させるような感じでしょうか。

軽自動車の排気量、エンジンで、どんなに性能を高めても物理的に限界があるように、これではチャレンジが苦しいものになっていきます。

本来必要なものが足りていないと、すぐにオーバーヒートしてしまうように、疲労やストレスばかり増えることにもなります。

どうぞ日常の中から、あなたの中にはスポーツカー並みの。。。いやもっと大きなジェット機並みのエンジンが搭載されていることを、閃きなどで感じてください。

そして、閃きを引き出すにも大切なことですが、その巨大なエンジンを活用していくには、いかに力を抜くか、摩擦を軽減するかであることを体感していってください。

いかに力を入れずに同じことができるか、日々試行錯誤ですね。

力を抜くコツを会得していけば、あらゆる場面でその大きなパワーを活用できるようになります。

この体得は大きな財産になりますよ!

これまでに紹介した津川 雅彦さんの名言です。

(浜本 哲治)

LINEで送る