吉行 淳之介の名言 Junnosuke Yoshiki
少年の頃、激しく傷つくということは、傷つく能力があるから傷つくのであって、その能力の内容と言えば、豊かな感受性と鋭い感覚である。
吉行 淳之介 Junnosuke Yoshiki
小説家 1924〜1994
Wikipedia(日本語)/ Wikipedia(英語)
傷つく感覚を持っていることは、非常に素晴らしい能力を持っていることです。
ただ傷つくこと、痛い思いを繰り返すことで、心身のあらゆるところに防御壁を立てて、それを感じないように、また感じにくいようにしてしまうことが、年齢、経験を重ねるごとに感度が落ちていく要因です。
本来の感性、感覚は感じることを止めない限り、落ちるどころかどんどん研ぎ澄まされていきます。
感受性などは年を重ねるほどに高いレベルになっていくのが、本来の自然界の自然な姿でしょう。
植物たちが年を経るごとにエネルギーレベルが高くなっていくことを見ても、これは明らかなことでしょう。
これが実現できるかどうかは、感じたものを傷つくものにしてしまうか、成長、進化に繋げていくものにできるか、この一点の捉え方に尽きるでしょう。
心をどこにフォーカスしているか。出来事をどこでキャッチしているか。
目的意識を明確に持っている人は、その目指すものから目や心を離さない限り、全ての出来事、感じることはそこに辿り着くエネルギーにしていけます。
全ては推進力のエネルギーになりますが、そのエネルギーは大きければ大きいほどパワーを増すことになります。
ただ、逆に大きければ大きいほど、扱いを間違えると傷ついてしまうことにもなりますね。
さらに言えば、傷つく感覚は感情の部分から入ってきて心身を痛めることになりますから、感情の元になる思考で捉えようとすると痛さを多く感じることになります。
本質や真意を的確に捉える思感で感じるようにしていけば、傷つくことも少なくなり、大きなエネルギーだけを受け取れるようになります。
思考のトレーニングが中心になっている人間は、その影響で感情に振り回されることも多くなり、争いがなくならない要因にもなっているでしょう。
出来事を思考ではなく思感で捉えることは、閃きを意図的に自在に引き出すのと同様に、ちょっとしたコツを掴めばすぐに体得することができます。
本来の能力の使い方を知らないだけで、傷つくことを怖れて、せっかくの素晴らしい鋭い感受性を鈍らせてはもったいないことです。
どうぞ、さらにどんどん感受性を研ぎ澄ましていけるように、全ての出来事の捉え方のコツを掴んでください。
このコツはきっと大きな財産になっていきますよ。
(浜本 哲治)
吉行淳之介文学館 Wikipediaより