安部 公房の名言 Kobo Abe
目的地に何があっても確実に辿り着くには、道を限定しないことです。
例えば辿り着きたい場所と時間があって、そこにどうしても辿り着きたいとすれば、できるだけ可能性を狭めないことです。
交通手段を限定してしまっては、その交通手段が使えなくなってしまえば目的地には到達できないことになってしまいます。
そのためにも本来目指すべき夢と手段の違いは明確に認識しておくことです。
意外とこれが混同してしまっていて、例えばこの交通手段に乗っているだけで安心して、どこに辿り着くのかがわからない状態は多いものです。
また交通手段に乗ることが夢の実現だと勘違いして、例えば同じ場所をグルグルと回るだけでどこにも到達できずに、そのことでストレスを抱え込んでしまっているケースは本当に多いものです。
道を極めようとしていくことは、目的地である夢に到達しようとしていくことです。
常に変化、進化している自然界では、夢自体も進化していかなければ衰退、退化を意味することになってしまいますし、手段も同様ですね。
交通手段の例を考えてみるとわかりやすいですが、手段にこだわり過ぎると必ず何のためにやっているのか?という疑問を抱えることになってしまいます。
あなたが極めようとしている分野、道は根源的に何を実現していこうとしているものか。
ぜひ常にこれを念頭に置いてチャレンジを進めてください。
当初は本来目指すべきものを目指していたのに、いつの間にか手段にこだわったり、手段を目指したりして、訳のわからない形骸化した形だけのものになってしまっていたり、行き詰まり前に進めなくなっているものも多くなっています。
あなたの素晴らしい才能を活かすには、才能に本来の夢を授けてあげることです。
また授け続けてあげることです。
才能、能力の進化、夢の実現の進捗に翳りが見えたら、まずいちばんに目指しているものがズレていないかをチェックしてください。
本来目指すべきものを目指し続けていれば、その道を見失うことも行き詰まることもありません。
(浜本 哲治)
『毎日グラフ』1954年9月1日号より Wikipediaより