木見 金治郎の名言 きみ きんじろう

木見 金治郎【きみ きんじろう】

今は相手が弱いから、
自分の考えている手を
そのまま指しても勝てるだろう。
それで勝てるうちはいいが、
いつまでもそのままでは通らない。
それよりも今は、もっといい手はないだろうか、
と自分に与えられた時間いっぱいを使って、
苦しみながら考えることがたいせつなんだ。

木見 金治郎 きみ きんじろう Kinjiro Kimi

将棋棋士 1878〜1951


木見さんは、大山康晴さん、升田幸三さんなど、
多くの棋士を輩出した、名伯楽としても知られていますが。

12歳で木見さんの内弟子になった大山さんは、
当時から持前の勝負強さを発揮して、
持ち時間を半分も使わずに勝つことが出来ていたようです。

早く勝負の決着が着けばそれだけ師匠が喜ぶと思っていたようですが、
決してそうではなく、木見さんは逆に機嫌が悪くなったそうです。

ところが苦戦を強いられて持ち時間の全てを使い切り、
負けて帰ってきた時は、ご機嫌で
『ご苦労さん』と言っていたわってくれたようで、
その理由がどうしても分からず尋ねた時の答えが、
この言葉のようです。

果てしなく追求できる領域のある自然界では、
今の状況に満足してしまっては、
成長、進化できないどころか、
どんどん退化していくことになります。

環境が常に進んでいく中で、
立ち止まってしまうことは、
後退することになるのは当然ですね。

余裕のある時こそ、
常に先々のイメージをして、
準備をしておくことが大切です。

逼迫した状況の中では、
余裕もなく、目の前のことしか、
見えなくなるのが人間ですからね。

もちろん、追い込まれた状態だからこそ、
見えてくるものもあったり、
思考ができなくなるような状況になると、
閃きを引き出しやすくなることもあります。

ただ、いずれにしても追い込まれた状態には、
どんなに成長、進化しても、
必ず遭遇することになりますし。

閃きは、追い込まれたような、
思考を否応なく手放す状態でなければ、
引き出せないものでもないですから、
閃きなどは、自在に引き出せるように、
していくことの方が肝要でしょう。

今の過ごし方で、
未来が創られていきます。

今を、目の前だけを見た今にしてしまっては、
未来にとても苦労することになります。

今は常に、未来を見据えた今にしていくことですね。

3年後、5年後、10年後を見据えた今になっているか。

今は、手の届かない夢を見据えて、
チャレンジしている今になっているか。

これは、常々感じていきたいことですね。

それでこそ、あなたの素晴らしい才能、能力が、
存分にその真価を発揮してくれることになります。

(浜本哲治)


名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫)