平尾 誠二の名言 Seiji Hirao
プレーヤーって直訳すると「遊ぶ人」でしょう。
ゲームだって、直訳は「遊び」です。
ところが日本語では「選手」「試合」です。
意味が違う。
仕事も同じですが、日本では楽しむという意識が忘れられがちなんです。
平尾 誠二 Seiji Hirao
元ラグビー日本代表監督 1963~2016
Wikipedia(日本語)/ Wikipedia(英語)
平尾 誠二さんは私と同時期にプレーヤーとしてラグビーを一緒にした人ですね。
彼はひとつ年下ですが、同志社大学で大学選手権3連覇の偉業を成し遂げたチームの中心選手でした。
同志社大学のチームカラーもあったのでしょうが、彼はまさにラグビーを愉しむことを実践して昇りつめた人ですね。
数年前に彼が講演会で群馬に来た時に再会して旧交を温めました。
日本語には「楽しむ」と「愉しむ」という、同じ「たのしむ」という言葉があります。
その文字の成り立ちから少し意味が違うようです。
「楽」は「音楽」にも使用されるように相対的な感情の表現のようです。
「愉」は「愉快」という言葉があるように、そのたのしむ人の主体性がより感じられる絶対的な感情の表現のようです。
楽しむにしても愉しむにしても、平尾誠二さんの言葉にもあるように日本人にはたのしむことを良しとしない風潮があるのでしょうか。
何かに真剣に取り組んでいる時には、真面目な顔をしていないと不真面目だと言われたりしましたね。
ロンドン五輪の女性の重量挙げで銀メダルに輝いた三宅宏実さんのスナッチの試技だけをTVで観ましたが、その時点で彼女のメダルは確信しました。
別格の選手がいましたが、他の選手が緊張感を漲らせている中で、彼女のリラックスした身体の状態、そして表情からそう感じました。
スポーツでも仕事でもそうですが、何かを目指そうとしていたら、それこそ「楽」なことなんてありません。
きついことをどうせやらなければならないんです。
「きつい」ことを「辛い」と感じるか「愉快」と感じるかで、その結果には大きな差が生まれます。
笑顔になれば、笑い声が絶えなければ、つらいこともたのしめるじゃないですか。
あっ!そうそう!
人間、身体的、精神的に極限に追い込まれて開き直らなければならない状態になると笑うしかなくなるんですよ。
眉間に皺を寄せて歯を食いしばっているうちは、まだまだ余裕の域でやっているだけなのかもしれません。
過程は結果より大切なことですが、表面的なことに囚われていると本質を見失うことになります。
そろそろ日本人も表面的なことで評価することはやめて、本質を見抜く、本質的な過程を評価するような心を持っていきたいですね。
あなたは、あなたがチャレンジしていることを本当に愉しんでいますか?
あなたらしく生きること、あなたの天賦の才を磨くことは決して楽な、楽しいことではありません。
きついことを心底愉しめることがあなたの真価が問われるところです。
あなたの天賦の才を歯を食いしばって頑張って磨いているうちはまだまだのレベルでしょうね。
極限の状態で涼しい顔をして微笑みを浮かべられるくらいの、真に愉しんで磨けるようになって一流の仲間入りでしょう。
そう言えば「頑張る」という言葉も「我を張る」「歯を食いしばる」嫌なことを無理にやるというイメージがあって私はほとんど使いませんが、どうぞ人生を、夢の実現を頑張らずに心ゆくまで「愉しんで」ください。
自然の植物たちは間違いなく頑張らずに愉しんでいるからこそ感動的な美しさを魅せてくれます。
平尾 誠二さんのこんな名言もありました。
出来ない理由を考えたら、理由は山ほど出てきますから『やろうと思ったらやる』という事しか考えませんね。
あとは本気になるかどうかです。
平尾 誠二の名言
局面を見極めなければ次はない。次もまた局面を見極めて勝って、また次へ行く。
その戦いの繰り返しでしか前に進めないんです。仕事でもそうでしょう。
局面の見極めを誤って、一度『まあいいか』と妥協してしまったら、次もまた『いいか』と妥協することになる。
妥協は借金取りに追われているかのように連鎖するんですよ。
『今度こそ返すから』ってずっと言い続けることになる。それでは負け続けるだけ。
勝負どころを見極めて、その一瞬に全力を注がないとダメなんです。
平尾 誠二の名言
「おまえたち、ここで負けたら恥だぞ!!」とか言う監督がいたとしたら、それは選手の恥ではなくて、監督の恥なんですよ。
平尾 誠二の名言
とにかく相手の話をよく聞くことが重要です。
目の前の人が自分の話を真剣に聞いてくれていると思ったら、安心して本音が話しやすくなるじゃないですか。
平尾 誠二の名言
つまらない事をいくらやっても上手くならないですし、どんなに才能があっても二流止まりです。
平尾 誠二の名言
ダメだったら次の機会に試す。
でもまたダメだったらまた次に試す。
そして達成できたら、それは自分の実力になっているという事なんです。
平尾 誠二の名言
私はリーダーが怒るということは、あまりいいことだとは思いません。
よく「うちのチームは、俺が怒るからいいプレーができるんだ」という指導者がいますが、だから怒った方がいいというのは理屈に合わないでしょう。
怒られたからできたというのは、もともとそれができるだけの力があったのです。
だから、この場合は、怒られるまで力を出さない個人やチームにこそ問題があると考えなければいけません。
平尾 誠二の名言
怒るにしても褒めるにしても、それがどれだけ効果をあげるかを決めるのは、そこで発せられたリーダーの言葉です。
リーダーの一言で、気合が入ったり、やる気が高まったりすることってありますよね。
言葉にはそういう力があるのです。
平尾 誠二の名言
これまでに紹介した平尾 誠二さんの名言です。
(浜本 哲治)
第56回日本ラグビーフットボール選手権大会兼トップリーグ総合順位決定トーナメント決勝、18季ぶりの優勝で平尾誠二の遺影を手に表彰式に臨む前川鐘平(2018年12月15日撮影)Wikipediaより